ビザ取得支援

1.就労ビザとは

就労ビザとは、法律用語では無く、“就労が認められる在留資格”の慣用的な呼び名です。
元来、ビザは外務省の所掌事務であり、在留資格は法務省(出入国管理庁)の所掌事務であることからも、就労ビザと就労関係の在留資格は、それぞれ別の概念であると言えます。
そのため、「就労ビザを取得する」というのは、数ある在留資格の中から、「日本国内において就労し所得を得ることが認められている在留資格のいずれかを取得する」という事を意味します。

就労が認められる在留資格は、出入国管理及び難民認定法(通称、入管法)では、「外交」、「公用」、「教授」、「芸術」、「宗教」、「報道」、「経営・管理」、「法律・会計業務」、「医療」、「研究」、「教育」、「技術・人文知識・国際業務」、「企業内転勤」、「介護」、「興行」、「技能」、「特定技能」、「技能実習」、「高度専門職」が規定されています。また「特定活動」は一定条件のもとで就労ができます。
なお、「永住者」、「日本人の配偶者等」、「永住者の配偶者等」、「定住者」は、就労するにあたり、職種・就労期間等の活動制限はありません。

そして、就労ビザには、それぞれに「在留期間」が定められています。この期間を超えて日本で活動・在留したい場合は、ビザの延長申請が必要となります。この更新申請により改めて許可を得ることで、次の期限まで引き続き日本に在留し続けることが可能となります。

2.技術・人文知識・国際業務ビザについて

在留資格の技術・人文知識・国際業務とは?

かつては理系の「技術」と文系の「人文知識・国際業務」に区分されていましたが、経済がグローバル化する中で、外国人の受入れに関する企業等のニーズに柔軟に対応するべく、平成26年の入管法改正により在留資格の整備が図られ、現在の区分へと一本化され、「技術・人文知識・国際業務」が成立しました。

【技術・人文知識・国際業務に該当する職種例】

【理系】システムエンジニア、ソフトウェアエンジニア、プログラマー、IT技術者、技術開発者、設計者など
【文系】営業、マーケティング、人事、総務、経理、企画、広報、通訳、翻訳、語学教師、デザイナー、海外取引業務など

※いわゆる単純労働系の仕事は技術・人文知識・国際業務には該当しません

【技術・人文知識・国際業務に該当する活動例】

  • 本国において工学を専攻して大学を卒業し,ゲームメーカーでオンラインゲームの開発及びサポート業務等に従事した後,本邦のグループ企業のゲーム事業部門を担う法人との契約に基づき,月額約25万円の報酬を受けて,同社の次期オンラインゲームの開発案件に関するシステムの設計,総合試験及び検査等の業務に従事するもの。
  • 電子情報学を専攻して本邦の大学院博士課程を修了し,本邦の電気通信事業会社との契約に基づき,月額約25万円の報酬を受けて,同社の研究所において情報セキュリティプロジェクトに関する業務に従事するもの。
  • 本国において会計学を専攻して大学を卒業し,本邦のコンピュータ関連・情報処理会社との契約に基づき,月額約25万円の報酬を受けて,同社の海外事業本部において本国の会社との貿易等に係る会計業務に従事するもの。
  • 本国において経営学を専攻して大学を卒業し,経営コンサルタント等に従事した後,本邦のIT関連企業との契約に基づき,月額約45万円の報酬を受けて,本国のIT関連企業との業務取引等におけるコンサルタント業務に従事するもの。
  • 本国において経済学,国際関係学を専攻して大学を卒業し,本邦の自動車メーカーとの契約に基づき,月額約20万円の報酬を受けて,本国と日本との間のマーケティング支援業務として,市場,ユーザー,自動車輸入動向の調査実施及び自動車の販売管理・需給管理,現地販売店との連携強化等に係る業務に従事するもの。

※平成20年3月法務省入国管理局(現在の法務省出入国在留管理庁)平成27年3月改訂資料より一部抜粋

技術・人文知識・国際業務ビザ取得の要件

1.学歴要件

  • 大学院、大学、短大を卒業した者(国内海外不問)
  • 日本の専門学校を卒業した者

2.実務経験
上記の学歴要件に当てはまらない者(高卒など)が対象

【原則】10年以上の実務経験
※教育機関での専攻期間を含む

【例外】3年以上の実務経験
※例外の対象となる業務:外国の文化に基盤を有する思考または感受性を必要とする業務(例:広報、通訳、翻訳、語学の指導、海外取引業務、デザイン、商品開発等)

技術・人文知識・国際業務ビザ取得のポイント

1.外国人本人の要件について
【学歴】
卒業した学校で学んだ「専攻内容」と、就職先企業で予定される「職務内容」が関連していることが求められます。例えば、大学で会計学を専攻していれば、経理等の財務分野の業務に就くことができます。申請時には、その関連性を説明し、証明する必要があります。そのため、あらかじめ卒業証明書や成績証明書により本人の専攻内容を確認することが非常に重要となります。

【実務経験】
実務経験を証明するためには、過去に勤めた企業から実務経験を証明するための書類を取得しなければなりません。もし倒産等の理由により企業と連絡がつかず書類が取得できない場合には、たとえ本当に働いていた事実があったとしても、残念ながら実務経験を証明できないこととなってしまい、実務経験により就労ビザを取得することは極めて困難です。

【前科(犯罪歴)がないこと】
外国人に前科がある場合、ビザは取得できません。

2.受入企業側の要件について
【雇用契約】
大前提として、外国人本人の就職先企業が決定していなければ、就労ビザは発給されません。そのため、企業は、外国人本人との間に「契約」が必要になります。
ここでいう「契約」は、雇用のほか委任、委託、委嘱等を含みます。ただし、特定の機関(複数可)との継続的なものである必要があります。
また、「技術・人文知識・国際業務」については「本邦の公私の機関との契約」に基づいて行われる活動であることが求められます(「高度専門職1号イ・ロ」も同様)。

【給与額】
雇用契約の際に、外国人本人の給与水準が「日本人と同等かそれ以上であること」が必要です。つまり、外国人であるという理由だけで、給与額を日本人従業員よりも引き下げる等の不当な扱いをしてはならないということです。

【経営状況】
企業の経営状況が良好であることが必要です。通常は申請時に決算書を添付することで、事業の安定性を証明します。
なお、新設会社で決算書を添付できない場合は、代替資料として事業計画書を作成し、添付します。

3.技能ビザについて

在留資格の技能とは?

ここでの技能は、大きく二つに大別されます。調理師としての活動(熟練した技能を要する業務に従事する活動)と、調理師以外の活動(産業上の特殊な分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する活動)です。

技能に該当する職種例

中華料理・ベトナム料理・フィリピン料理・インドネパール料理、タイ料理、イタリア料理・フランス料理等の外国料理専門店の料理人(調理師、コック)、トレーナー(動物調教師)、スポーツトレーナー、ソムリエ、飛行機のパイロットなど

技能ビザ取得の要件

※以下は、技能ビザの需要の多くを占める外国料理専門店の料理人を例にご紹介します。

~外国料理専門店の料理人の実務経験の具体例~

【原則】10年以上の実務経験
※教育機関での専攻期間を含む
※過去の勤務経験が必要であり、直近まで勤務している必要はありません

【例外】5年以上の実務経験
※例外の対象となる業務: タイ料理専門店の料理人(直近1年のタイ料理人としての在職証明などが必要)

技能ビザ取得のポイント

1.外国人本人の要件について
【実務経験】
実務経験は、在職証明書等で証明します。もし倒産等の理由により企業と連絡がつかず書類が取得できない場合には、たとえ本当に働いていた事実があったとしても、残念ながら実務経験を証明できないこととなってしまい、実務経験により技能ビザを取得することは極めて困難です。
なお、技能ビザは学歴要件が不要なためか、出入国在留管理庁による調査が行われるとされております。どのお手続きにも当てはまる事ですが、誠実なご申告・ご申請が必要です。

2.受入企業側の要件について
【専門性】
外国料理の単品料理やコース料理を提供するなどといった専門性が必要になります。

【雇用契約】
大前提として、外国人本人の就職先企業が決定していなければ、就労ビザは発給されません。そのため、企業は、外国人本人との間に「契約」が必要になります。
ここでいう「契約」は、雇用のほか委任、委託、委嘱等を含みます。ただし、特定の機関(複数可)との継続的なものである必要があります。
※「技術・人文知識・国際業務」、「高度専門職1号イ・ロ」については「本邦の公私の機関との契約」に基づいて行われる活動であることが求められます。

【給与額】
雇用契約の際に、外国人本人の給与水準が「日本人と同等かそれ以上であること」が必要です。つまり、外国人であるという理由だけで、給与額を日本人従業員よりも引き下げる等の不当な扱いをしてはならないということです。

【許可】
新規に飲食業を営む場合は、事前に飲食店営業許可を取得しておくことが必須です。

経営・管理ビザについて

在留資格の経営・管理とは?

「経営・管理」は、「外国人が日本で起業してその経営または管理に従事したい場合」や「今すでにある会社の経営者になる場合」などに取得するビザです。また、当該外国人が事業の運営に関する重要事項の決定、事業の執行もしくは監査の業務に従事する活動を行っていることが大前提となります。

外国人が日本で会社の経営をすることができる在留資格

「永住者」、「日本人の配偶者等」、「永住者の配偶者等」、「定住者」、「高度専門職(一部のみ)」、「経営・管理」これらの在留資格があれば、日本で会社の経営が認められます。これらの在留資格に当てはまらない「技術・人文知識・国際業務」、「技能」等の就労ビザのままでは、会社の経営はできませんので、経営・管理ビザへの変更許可申請が必要となります。

経営・管理に該当する職種例

代表取締役、取締役、日本支社長、工場長、支店長等

経営・管理ビザ取得のポイント

1.事業所について

事業所が物理的に日本に存在することが必要で、いわゆるバーチャルオフィスは事務所として認められないので注意してください。

【賃貸物件のケース】

  • 使用目的を「事業用、店舗、事務所等」の事業目的としていただき、事業用であることを明確にする
  • 賃貸借契約者は法人等の名義とし、当該法人等による使用であることを明確にする

【個人事業で自宅等を使用する場合(住居として賃借している物件の一部を使用して事業が運営されるような場合)】

  • 貸主が、住居目的以外での使用を認めていること(事業所として借主と当該法人の間で転貸借されることについて、貸主の同意が必要)
  • 借主も当該法人が事業所として使用することを認めていること
  • 当該法人が事業を行う設備等を備えた事業目的占有の部屋を有していること
  • 当該物件に係る公共料金等の共用費用の支払に関する取決めが明確になっていること及び看板、表札などの法人の標記を掲げていること

2.事業規模

  • 日本在住の常勤の雇用者が2名以上(その経営または管理に従事する者以外に必要)で、常勤の職員が従事して営まれる規模のものであること

3.申請人が管理に従事しようとする場合

  • 事業の経営又は管理について3年以上の実務経験
  • 日本人が従事する場合に受ける報酬と同等以上の報酬を受けること

4.事業の継続性および安定性の証明

*起業の場合、経営管理ビザの取得は、学歴要件や実務経験が不要です。しかし、事業計画書にて、経営の経験がなくても事業を成り立たせることが出来ることを客観的に証明していく必要があります。

企業内転勤ビザについて

在留資格の企業内転勤とは?

在留資格の「技術・人文知識・国際業務」活動に該当する従業員が対象で、人事異動や転勤にともない日本に入国する外国人が必要とする在留資格です。

企業内転勤に該当するパターン

  • 親会社と子会社の間で異動となる。
  • 子会社の間で異動となる。
  • 関連会社へ異動となる。

企業内転勤ビザ取得の要件

  1. 直近1年間に、外国にある本店や支店で勤務し、かつ、技術・人文知識・国際業務に従事していること。
  2. 給与水準が日本人と同等以上であること。(外国の本店が、日本よりも物価が低い国にあっても、報酬額を引き下げることはできません。)

企業内転勤ビザ取得のポイント

  • 単純労働は認められません。
  • 学歴要件や実務経験はありません。
  • 外国法人と日本法人の関係性を証明する書類(辞令など)を添付。

特定活動ビザについて

在留資格の特定活動とは?

在留資格でいう「特定活動」は、他の在留資格に該当しない活動であり、「法務大臣が個々の外国人について特に活動を指定する在留資格」のことです。つまり、「出入国管理および難民認定法」いわゆる入管法の改正をすることなく、法務大臣が指定することによって、日本に在留することが可能な活動の種類を増やすことができるということです。
特定活動は、「告示特定活動(法務大臣が個々の外国人について特に指定)」と「告示外特定活動(活動内容が明確にされていないもの)」があります。

特定活動に該当する代表的な職種例

【告示特定活動】
1号:外交官・領事官の家事使用人
2号の1:高度専門職・経営者等の家事使用人
2号の2:高度専門職の家事使用人
3号:台湾日本関係協会の在日事務所職員とその家族
などがあります。

【告示外特定活動】
・就職活動継続中
・難民申請中
・出国準備中
・呼び寄せ(親が高齢)

留学生の就職支援「告示特定活動(46号告示)」の要件

※以下は出入国在留管理庁「留学生の就職支援に係る「特定活動」(本邦大学卒業者)についてのガイドライン(令和元年5月策定)」を参照のうえ、とりまとめております。

1.日本の大学院または四年制大学を卒業した留学生
海外の大学院・大学、国内の短大・専門学校は対象外です。

2.「日本語能力試験N1」または「BJTビジネス日本語能力テスト480点以上」の者
例外として、大学院または大学において「日本語」を専攻して大学を卒業した者は、「日本語能力試験N1」または「BJTビジネス日本語能力テスト480点以上」を満たすものとして取り扱います。

3.日本語を用いた円滑な意思疎通を要する業務であること
具体的には、単に雇用主等からの作業指示を理解し、自らの作業を行うだけの受動的な業務では足りず、いわゆる「翻訳・通訳」の要素のある業務や、自ら第三者へ働きかける際に必要となる日本語能力が求められ、他者との双方向のコミュニケーションを要する業務であることを意味します。

4.本邦の大学又は大学院において修得した広い知識及び応用的能力等を活用するものと認められること
従事しようとする業務内容に「技術・人文知識・国際業務」の在留資格の対象となる学術上の素養等を背景とする一定水準以上の業務が含まれていること、または、今後当該業務に従事することが見込まれることを意味します。

5.契約形態は「常勤(フルタイム)」での雇用であること
アルバイト、パートは認められません。なお、派遣社員として派遣先において就労活動を行うこともできません。さらには、契約機関が適切に雇用管理を行っている必要があることから、社会保険の加入状況等についても、必要に応じて確認を求められることになります。

6.日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること
一定の報酬額を基準として一律に判断するものではなく、地域や個々の企業の賃金体系を基礎に、同種の業務に従事する日本人と同等額以上であるか、また、他の企業の同種の業務に従事する者の賃金を参考にして日本人と同等額以上であるかについて判断します。また、46号告示の場合は、昇給面を含めて、日本人大卒者・院卒者の賃金を参考とします。その他に、元留学生が本国等において就職し実務経験を積んでいる場合には、その経験に応じた報酬が支払われることとなっていることについても確認されることになります。

国際結婚について

日本人と外国籍の方が国際結婚をし、法律上も夫婦として認められるには、さまざまな書類や手続きが必要になります。その際、日本人同士の婚姻とは異なり、パートナーの国の法律にも目を向けなければなりません。たとえば、日本と台湾では婚姻要件は同じですが、日本と中国では異なります。
注意したい点は、国際結婚とビザは異なる制度であるということです。婚姻したからといって必ずしも「配偶者ビザ」の在留資格を取得できるわけではありません。

国際結婚をした外国人の方が取得できる在留資格(いわゆる結婚ビザ、配偶者ビザ)。

  • 配偶者が「日本人」なら「日本人の配偶者等」
  • 配偶者が「永住者」なら「永住者の配偶者等」
  • 配偶者が「日本人の子(「日本人の配偶者等」)」なら「定住者」
  • 配偶者が「永住者の子(「永住者の配偶者等」)」なら「定住者」
  • 配偶者が「定住者」なら「定住者」
  • 配偶者が「その他のビザを取得している」なら「家族滞在」※例外あり

日本で婚姻届出をする場合の必要書類

  • 婚姻届
  • 戸籍謄本
  • パスポート(旅券)
  • 婚姻要件具備証明書または、それに代わる書類(宣誓書など)

必要書類詳細

【婚姻届】
各市区町村の役所で入手します。記載内容は日本人同士の婚姻の場合と同様です。

【戸籍謄本】
国際結婚の場合、日本人パートナーが本籍地として住民登録をしている役所が同じ場合には必要ありません。婚姻届の提出先となる役所が住民登録をしている役所と異なる場合(本籍地が提出先の市町村と異なる場合)に必要です。

【パスポート(旅券)】
外国籍のパートナーが日本に滞在している場合、その外国人本人の国籍を証明するために必要となります。

【婚姻要件具備証明書】
外国籍のパートナー本人が独身であることや、パートナーの国の法律において婚姻に問題がないことの証明書類で、外国籍のパートナーの出身国の日本の大使館や領事館で発行されます。
もし日本語で記載されていない場合は、日本語に翻訳して提出しなければなりません。なお、翻訳文の作成者は、氏名と住所を記載する必要があります。

配偶者ビザについて

配偶者ビザ、結婚ビザとは、在留資格の「日本人の配偶者等」の慣用的な呼び名です。

日本人の配偶者等とは

日本人の配偶者、日本人の特別養子、日本人の子として出生した者(認知された非嫡出子も含む)の3者を「日本人の配偶者等」といいます。注意点として、日本人の配偶者には、内縁者や離婚者は含まれません。また、この配偶者ビザ(結婚ビザ)は、そのメリットの多さから偽装結婚が後を絶ちません。そのため、同居・扶助協力・社会通念上の夫婦共同生活を営んでいること等、その婚姻の実態を伴うことが求められます。

「日本人の配偶者等」ビザ取得のポイント

婚姻する両者が真に婚姻生活を望んでいることの証拠を示し、文書で立証する必要があります。各地の出入国在留管理局があらかじめ聞きたいことをまとめた「質問書」というものがあります。質問内容は多岐にわたりますが、いずれの質問に対しても、事実を誠実に記載することが大事です。

質問書の内容例

  • 結婚に至った経緯について
    初めて会った時期や場所、婚姻までのいきさつを詳しく記載することが求められます。
  • 紹介者の有無について
    紹介者がいれば、その方の住所、氏名、電話番号、紹介をしてもらった日なども記載します。
  • 言語について
    日頃、夫婦間でコミュニケーションをとる際に、会話内で使われている言語も記載します。パートナーとなる方の母国語の理解度や、パートナーの方が日本語を理解できる場合は、どのように日本語を学んだかに至るまで詳細な質問がありますので、後々面倒なことにならないよう、背伸びをせずに事実を記載することが大切です。
  • 婚姻時の証明人について
    日本国内で婚姻届出をする場合は、証人2名の証明が必要になりますが、その方々の住所、氏名、電話番号も記載します。

この他にも、まだまだ多くの質問事項があります。いずれの質問に対しても、事実を丁寧に記入することがポイントです。

国際離婚について

国際結婚をした日本人がそのパートナーと離婚することを国際離婚や渉外離婚といいます。日本人同士の離婚であれば当然に日本の法律が適用されますが、一方が外国人であったときは、外国の法律が関係するケースもあるため、より一層慎重にお手続きを進める必要があります。

離婚成立後のビザについて

国際結婚とその後の申請により取得した「日本人の配偶者等」の在留資格ですが、この在留資格により日本に在留することが出来ている外国人は、離婚成立でその在留資格を失うことになります。

永住ビザについて

「永住ビザ」とは、外国人の方が、外国籍のままで日本に永住したいときに必要な許可で、永住許可の慣用的な呼び名です。永住許可後には、在留活動に制限がなくなり、在留資格の更新手続きも不要となるなど、日本で生活を送るうえで多くのメリットを受けることができます。
この永住許可は、いきなり申請することは認められていません。下記の在留資格のうちいずれかを取得し、原則として10年以上継続して日本に在留してからでなければ申請できません。

在留資格

「外交」、「公用」、「教授」、「芸術」、「宗教」、「報道」、「経営・管理」、「法律・会計業務」、「医療」、「研究」、「教育」、「技術・人文知識・国際業務」、「企業内転勤」、「介護」、「興行」、「技能」、「特定技能」、「技能実習」、「高度専門職」、「文化活動」、「短期滞在」、「留学」、「留学研修」、「家族滞在」、「特定活動」、「永住者」、「日本人の配偶者等(特別養子、日本人の子として出生した者)」、「永住者の配偶者等(日本で出生し継続して在留している永住者の子)」、「定住者」

永住許可の要件

(1)素行が善良であること
法律を遵守し日常生活においても住民として社会的に非難されることのない生活を営んでいること。

(2)独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること
日常生活において公共の負担にならず、その有する資産又は技能等から見て将来において安定した生活が見込まれること。

(3)その者の永住が日本国の利益に合すると認められること
ア 原則として引き続き10年以上日本に在留していること。
※ただし、この期間のうち就労資格(在留資格「技能実習」及び「特定技能1号」を除く。)又は居住資格をもって引き続き5年以上在留していること。

イ 罰金刑や懲役刑などを受けていないこと。
※公的義務(納税、公的年金及び公的医療保険の保険料の納付並びに出入国管理及び難民認定法に定める届出等の義務)を適正に履行していること。

ウ 現に有している在留資格について、出入国管理及び難民認定法施行規則別表第2に規定されている最長の在留期間をもって在留していること。

エ 公衆衛生上の観点から有害となるおそれがないこと。

※ ただし,日本人,永住者又は特別永住者の配偶者又は子である場合には,(1)及び(2)に適合することを要しない。また,難民の認定を受けている者の場合には,(2)に適合することを要しない。

原則10年在留に関する特例

令和元年5月31日改定の永住許可に関するガイドラインにより、下記の条件のいずれかに当てはまる方は、10年以上継続して日本に在留していなくても永住許可申請が可能となります。

(1)日本人の配偶者、永住者の配偶者、特別永住者の配偶者の方
実体を伴った婚姻生活が3年以上継続し、かつ、引き続き1年以上日本に在留していること。

(2)日本人の配偶者の子、永住者の配偶者の子、特別永住者の配偶者の子の方
1年以上日本に継続して在留していること

(2)「定住者」の在留資格の方
5年以上継続して日本に在留していること

(3)難民の認定を受けた方
認定後5年以上継続して日本に在留していること

(4)日本への貢献があると認められた方
外交、社会、経済、文化等の分野において、日本への貢献があると認められる者で、5年以上日本に在留していること

この他にも、高度人材外国人に関するものなどが特例としてあります。

定住者ビザについて

定住者とは、「法務大臣が特別な理由を考慮し一定の在留期間を指定して居住を認める者」に適用される在留資格です。定住者には、「告示定住者(予め法務大臣が告示した条件に該当するもの)」と「告示外定住者(法務大臣が個々の外国人について特別な理由を考慮して居住を認めるもの)」があります。

定住者の在留資格のメリットと注意点

在留活動上の制限が無くなり、様々な職業に就けます。しかし、永住者とは異なり、在留期間が決められているので、更新手続きは必要です。

告示定住に該当する方の例

  • 日系人
  • 日系人の配偶者
  • 定住者の実子
  • 日本人の配偶者の実子(いわゆる連れ子)

告示外定住に該当する方の例

  • 日本人、永住者、特別永住者である配偶者と離婚または死別後に、引き続き日本に在留を希望する方
  • 日本国籍の実子を監護養育している外国人親の方

家族滞在ビザについて

家族滞在ビザについては、わかり易くするために具体例をあげます。“例えば、日本で就労ビザを取得して働いている外国人Aさんがいます。そのAさんには扶養している妻Bさんと子供Cさんがいます。今度、日本で一緒に生活することになりました。”このような場合に取得が必要なビザです。

対象となる家族の範囲

  • 扶養を受ける配偶者または子のみ

家族滞在ビザの必要書類の一例

  • 扶養者との身分関係を証する書類
  • 扶養者の外国人登録証明書またはパスポートの写し
  • 扶養者の扶養能力を証する書類

家族滞在ビザ取得の必要書類は、お客様のご事情ごとに異なりますので、まずはご相談ください。

留学ビザについて

留学ビザは、日本の日本語学校や日本の大学・専門学校等の学生に認められるビザです。在留の目的は勉学なので、原則として就労することはできません。そのため、在留中に要する生活費を工面するだけの十分な資産(奨学金を含む)がことを証明する必要があります。

留学生と資格外活動について

留学生が経済的に困窮しアルバイトをしたい場合は、「資格外活動許可申請」が必要です。
【対象】
・現に有している在留資格に属さない収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動を行おうとする外国人
【審査基準】
現に有する在留資格に関する活動の遂行を阻害しない範囲内であり、かつ、相当と認めるとき

資格外活動が許可されると、就労時間が週28時間以内であれば就労が可能になります。また、留学生であれば、学校が長期休みの期間中(夏休み等)は、1日で8時間以内まで就労することができます。さらには、この長期休みの期間中のみ、週28時間以内という制限が無くなります。

留学生と就職

【就職が決まった留学生】
留学生が日本で就職活動を行い、内定を得た企業に新卒として就職したい場合は、「留学ビザ」から「技術・人文知識・国際業務」などの【就労することのできる在留資格】に変更する必要があります。注意したいのが、その変更手続きは、就労する日までに済ませる必要があるという点です。
※4月1日入社予定の新卒の方は、12月1日から申請することができます。

【就職活動を継続したい留学生】
在学中に就職が決まらなかった方でも、そのまま日本で就職活動を続ける道もあります。それが「特定活動」の在留資格(いわゆる就職活動ビザ)です。このビザを取得すると、在留期間6ヶ月が得られます。ただし、取得するためには、在学中の学業成績なども影響するなど、細かな規定があるので、専門家に相談するとよいです。

(特定活動ビザによる)老親扶養について

“本国に年老いた親がいるが、病気を患っており生活に困っている。ところが、本国には親のみで、世話をしてくれる人がいないので、日本に呼び寄せて一緒に生活したい”このような特別の事情がある場合に、「特定活動ビザによる老親扶養ビザ」が用いられ、人道的な措置として許可されることがあります。ただし、個別のケースに応じて審査されるため、一律の規定はなく、取得が非常に難しいビザの一つといえます。
なお、外国にいる家族を呼び寄せるビザに「家族滞在ビザ」がありますが、その対象は、「扶養を受ける配偶者または子のみ」で、日本にいる外国人の親までは「家族滞在ビザ」で呼び寄せることができません。

(特定活動ビザによる)医療滞在について

特定活動ビザによる医療滞在は、「特定活動告示25号」です。内容は「本邦に相当期間滞在して、病院又は診療所に入院し疾病又は傷害について医療を受ける活動及び当該入院の前後に当該疾病又は傷害について継続して医療を受ける活動」です。そのため、外国人患者が日本の医療機関に入院し、医療を受けることが前提とされ、入院先の医療機関に関するパンフレット等の資料や、入院先の医療機関が発行する「治療予定表」等の書類が必要となります。また、入院はせずに通院で治療を受ける場合は「短期滞在」の在留資格になります。

在留期間について

  • 原則として6か月(病状により在留期間の更新も可能)

付添いについて

報酬を得ることができないため、家事使用人、通訳等は付添人になれません。

25号の「相当期間」について

90日を超える日数であることを要します。

25号の「継続して医療を受ける活動」について

入院から退院までの一連の医療が継続的に行われることを意味し、医師の診断書により個別に判断されます。

【5-1】帰化申請について

帰化とは、外国人が現在の国籍を放棄または離脱して日本国籍を取得することです。これにより、日本人と同等の権利を得ることができます。

帰化後について

日本国籍を取得するため、日本在留に関する手続きは不要となり、退去強制処分も適用されなくなります。反対に、帰化をすることで、元々の母国へ渡航する際は、日本国籍を持った日本人なので、日本のパスポートをもってビザが必要になります。また役所へ届け出ることにより戸籍が取得でき、その他には参政権(選挙権・被選挙権)も取得します。

帰化要件

以下の要件を満たす方は、申請が可能です。

1.居住要件
【引き続き5年以上日本に住所を有すること】
・中断があると居住年数はリセットされ、またゼロから積み重ねが必要です。ただし、再入国許可を得て出国し、その許可を得た期間内に再入国した場合は、リセットされずに居住が継続されていると判断されます。

2.能力要件
【20歳以上で本国の法によって能力を有すること】
・未成年者については、親の申請の際に同時申請できます。

3.素行要件
【素行が善良であること】
・犯罪歴はもちろん、反社会的な活動の有無なども考慮されます。

4.生計要件
【自己または生計を一にする配偶者その他の親族の資産または技能によって生計を営むことができること】
・“生計を一にする配偶者その他の親族の―”については、例えば、扶養されている妻(夫)や、仕送りを受けている留学生があてはまります。なお、扶養者と同居している必要はありません。

5.国籍要件
【日本の国籍の取得によって、元々の国籍を失うこと】
・日本は二重国籍を認めていません。
・特別の事情があると認めるときは、国籍に関する要件が免除されることもあります。

6.日本語能力要件
【日本語の読み書きができること】
・目安として小学校の低学年のレベルが求められます。

7.その他の要件
・日本国憲法と政府を暴力で破壊することを企てたり、主張したりしたことがないこと。
・日本の社会に順応していること。

以上が帰化要件となります。

在留特別許可申請について

在留特別許可は、在留期限を超えて不法残留している外国人に対する、法務大臣の裁量的な処分であり、その許否判断に当たっては、個々の事案ごとに、さまざまな事情に加え、その外国人に対する人道的な配慮の必要性と他の不法滞在者に及ぼす影響とを含め、総合的に判断されます。

制度について

在留特別許可は、ビザ申請とは全く異なる制度です。

ガイドライン

審査基準は公表されていませんが、ガイドラインは公表されています。※平成18年10月(平成21年7月改訂)資料

特に考慮されるプラスの要素

1. 日本人(または特別永住者)の子である

2. 【日本人(または特別永住者)との実子(嫡出子又は父から認知を受けた非嫡出子)を扶養している場合】
次のいずれにも該当すること

  • 実子が未成年かつ未婚
  • 実子の親権がある
  • 実子を日本で相当期間同居の上で、監護養育している

3. 【日本人又は特別永住者と婚姻が法的に成立している場合】
次のいずれにも該当すること

  • 夫婦として相当期間共同生活をし、相互に協力して扶助していること
  • 夫婦の間に子がいるなど,婚姻が安定かつ成熟していること

4. 日本の小学校(または中学校)に在学し、相当期間日本に在住している実子と同居し、監護養育していること

5. 難病等により日本での治療を必要としていること。または、このような治療を要する親族を看護することが必要と認められる者であること

上記の事実が認められることが、プラスの判断材料となります。とは言え、他の在留資格取得の申請とは異なり、自ら在留特別許可を求めて申請するなどということはありません。在留特別許可は、不法滞在により退去強制処分の手続きの中で、上記であげたような特別な事情を考慮のうえで受けられる本当に特別な許可です。

仮放免許可申請について

退去強制手続は、当該外国人の身柄の収容を前提として行われます。しかし、収容されている外国人について、病気その他やむを得ない事情がある場合、一時的に収容を停止し、一定の条件をつけて、例外的に身体の自由が与えられます。これを求める申請が、仮放免許可申請です。

仮放免許可の流れ

  1. 仮放免許可申請
  2. 入国者収容所長または主任審査官による審査
  3. 仮放免許可

申請ができる者

  • 収容されている外国人
  • 収容されている外国人の代理人
  • 収容されている外国人の配偶者または保佐人
  • 収容されている外国人の直系の親族もしくは兄弟姉妹

許可要件

  • 仮放免の許可要件は法定されていません。収容されている外国人の事情を総合的に勘案し、行政裁量により判断されます。

許可の場合

入国者収容所長又は主任審査官は、300万円を超えない範囲内で保証金の納付を命じます。そして、住居、行動範囲の制限、呼出しに対する出頭の義務、その他の必要と認める条件を付したうえで、仮放免許可証を発付します。

許可の取消し

仮放免許可を受けた外国人が、実際に逃亡した場合や逃亡すると疑うに足りる相当の理由がある場合などには、入国者収容所長または主任審査官は、いったんは許可した仮放免許可を取り消すことができます。

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